ダブル・キャスト

2023/09/23

 

面白かった!!!キャラがめちゃくちゃいい。皆可愛い!

川崎涼介めっちゃいいお兄ちゃん……

トップの妹を何があっても守る不良3人の図が良かった。亜季坊っていう呼び方もいい。

ストーリーが綺麗だった。出会い、協力、擦れ違い、また結託して最後敵を追い詰めて成仏するっていう一通りがちゃんとしてた。起承転結の構成のお手本のような話で超読みやすかった。約1週間っていう短い制限期間も良かった、目次でそれが分かるのも。

 

最初、浦和涼介ただの冴えない器係かと思いきや兄のふりして亜季を騙したり、身体をいいように使ってるくせに自分に嘘をついていることにちゃんと怒ったり突き放したりしてて、えっ良い……ってなった。そして最後の活躍……亜季連れ去られ岡野も逃がしどうするんだろう…と思ってたら奴らの拠点に当たりつけて奇襲仕掛け今までの状況から推理して武田も呼び出しケリつけたい奴全員集合させたの凄すぎる。というかぼんやりした感じの気の弱そうな浦和だからこそギャップにやられる。好き。だし、北澤、長谷部、柱谷が成り行きとはいえ言うこと聞くくらい一目置いてるのにしっかり喧嘩は守られてんの良い。

川崎涼介がもう、いい不良すぎる。きざでかっこつけで根はいい奴。妹第一なのもいい。というか浦和の姿で長谷部守って「手間かけさせんな」って言うとこめっちゃ好き(その前に浦和が長谷部に言われていた)。あと亜季に信じてもらえなくてめっちゃ落ち込んでるかと思いきや絡んできた雑魚ぼこぼこにしてやっぱ身体動かすとすっきりするな!みたいなとこも好き。

不良3人も全員良いやつ~!!可愛い~!かっこい~!ってなった。キャラがとにかく良くて読んでて楽しかった。

川崎涼介の父、危ない橋渡ってて日本家屋風の広い家持ってるって、絶対ヤのつく系の人かと思ったら普通の貿易会社だった。





兇人邸の殺人

2023/09/26

 

つらい。辛すぎる。

いやーーーー面白かった。

建物の構造や状況設定も今までのと比にならないくらい凝ってて、凄い、の一言。

剛力京を「ケイ」や「生き残り」と思わせるミスリードもめちゃめちゃ良かった。

なんか、この作者さんの書きたいものが分かってきた気がする。剣崎と葉村の関係。うーん、言葉にしたいけどできない。1作目で「あなたのワトソンにはなれない」、2作目で「君のホームズにはなれない」、今回初めてお互いのホームズ、ワトソンをやろうってなった。今まで救えなかった人とか出会ってきた人とお互いに対する信頼感が関係を進ませたんだね。なんか、何も上手いこと言えない。誰でもわかる言えることしか書けん。

最後のシーンが最高すぎて…。剣崎を最後まで諦めない葉村、葉村を頼り切ることに躊躇する剣崎とその気持ちに気づいて助言する(「幸せや不幸を分かち合ってくれた方が何倍も幸せだった、彼を侮るな!」)剛力、自分が死んでからどういう結末になるか分からない中一縷の望みを託しそれが叶わなくても誰も責められることが無いよう何も言わず「何があっても剣崎さんを責めないで」とだけ残して最後の策に踏み切った裏井…。中の跳ね橋を落としたのもちゃんと必要があって、自分が鐘楼へ行くためと、死んだあとちゃんと首を首塚に持っていってもらえるようにするため。作者、頭良すぎないか?無理だこんなんなぜ思いつく。最後バリケードで唯一の剣崎の逃げルートを絶ったのも剣崎ならそうする、って思うしそれが最後、スマホを見て戻ってくると信じた剣崎と剣崎を諦めなかった葉村の信頼関係が無いと助けられなかった最後のシーンを作り出してるのすごい。

特に、最後に策を葉村に話さなかった裏井の扱いが最高。「最初から言えばすむ話じゃん」で読者に済まされることってけっこうあって、そこでつっかかりじゃあこのネタは無しだな…シーン自体は最高なんだけどなってなることわりとあるんだけど全てに納得がいく。素晴らしい。何より裏井も剛力も過去の自分のことがあって、相手の気持ちが痛いほどよくわかるからこそ出る言葉っていうのが良いんだよな…。

実験施設の話は7seedsの夏Aとか、約束のネバーランドとか、まさにそういう状況、雰囲気で読みやすかった。こういう、外の世界と断絶されて育てられる子供たちとか、実験施設とかは大の好物なので追憶読むのほんとに楽しかった。最後の追憶で「ケイ」視点が今、現在に重なる演出、すき、、。つらい。

 

総評:

前回よりさらに良かったかも。舞台とか雰囲気としては昔ながらのクローズドサークル感が強い前作の方が好きだけど構成とか演出とか館の内部設計とか登場人物の背景や想いとか、総合的な面で。でも前作のどんでん返しも好きなんだよなー。でも今回のはいちおう多数の人々を救う結果にできた、剣崎が葉村といたことで、信頼関係ができていたことで起こるはずだった最悪の事態を防ぐことができた、ていう悲しいけどハッピーエンドだったので終わり良かったな。やっぱ今回かな。

黒猫の目の色剛力と葉村くんで言ってること違うなって思ってアレキサンドライトは調べたのでこれゆすりに使うんだなってすぐわかった。あと第2の殺人のトリックは屍人荘の殺人と似てる。人外の力が無いと、それを知ったうえでの発想力が無いと解けない。でもちゃんと謎解きに必要な要素は出されているのでなるほどね~ってなって面白い。屍人荘の時から思ってるけど、特殊な能力とか人外とか出てきても「ちゃんとしたミステリ」として楽しめるのが良い。というかそうじゃなきゃ読まない。



魔眼のはこの殺人

2023/9/23

 

面白かった!前作よりかなり好き。

針が重なっている時に壊れた、ていうのは読んでて思いついたんだけど文字盤に着弾の跡が無い=時計には銃弾がいかなかった、てことは違うんだなと思ってその説は外してしまった。針だけ折って文字盤は無傷、なんてあるのか…?とちょっと思ったけどこういう、一見意味の無いように見える犯人の行為の中から手がかりを見つけるっていうのは大好きだからかなり楽しんで読めた。謎解きの途中、「死の予言」がサキミと十色の2種類あるからちょっとこんがらがっちゃった。

 

「男女2人ずつが死ぬ」っていう表現の絶妙さ…。これすごくいい。この表現によって皆おかしくなってる…。

以下自分の中で整理して納得した部分↓

最後の、ひるこが自分の生存確率を上げるために「自殺」したのだと気づくところ。

交換殺人をしない場合は初めから諍いは起きない。それぞれがノルマを果たすだけ。

実際には同性同士だと警戒が厚いため、交換殺人を行った。王寺は十色を殺したので

①葉村くんが「自殺」した場合は朱鷺野があと1人女を殺せば終わり。諍いは起こらない。

②ひる子が「自殺」した場合は朱鷺野は誰も殺さなくてよくなり、諍いが起こる。

 

「予言が本物だった場合時、俺を絶対に死なせないために、犯人が死ぬかもしれない選択をした!」(本部より抜粋)

 

これ、最初読んだとき葉村くんが犯人に殺される可能性を低くしたいんなら①の方が確実に葉村くんは助かるんじゃない?と思ったけど、「犯人に殺される」のを防ぐためじゃなくて、「予言の犠牲者になる」のを防ぐためってことね!!!!!!!葉村くんが「自殺」しても実際死んでないため男の中で絶対にあと1人犠牲者が出るけど犯人同士の諍いの中で犯人が死んでくれれば儲けもの、ということね。犯人に殺される以外にも災害とか事故とかで死ぬ可能性を無くすためね。パターンを全部紙に書いて整理して何回か読み返してやっとわかったよ…こういうことがわりとあって私の理解力、そんなに低いのかな…って自信無くなってくる。国語学年トップに入るくらいだったんだけど…。

 

最後。もう死人が出ることはないが、これはこの特殊な環境下(死の予言、クローズドサークル、2日間という時間制限)だからこその犯行であり、一歩外に出ればここでの猜疑心や恐怖など無くなり全て幻だったかのように思えてしまう。そして犯人は自分のやってきたことを無駄にしないためにもこの2日が終わるまでは決してこれ以上の殺人を犯すことはない。この2つを考え、だからこそ今犯人を明らかにしなければならない、っていうのがめっっっちゃいい。シンプルにうまい。

まあ殺さないけど傷つける、ていう可能性もあるわけだからナイフ持った犯人に近づかないほうが良いと思うよ私は。

 

あと、最後のどんでん返しが複数あってかなり好きだ。唯一完全にこの地区やサキミと関係の無い王寺がなぜそんなに予言に怯えていたのかとかサキミの正体、手紙や過去の真相…。手紙は叙述トリックで楽しかった。叙述トリック大好き人間。十色勤お前のせいや全部何しとんねん。

 

総評:

最初も言ったけど前作よりかなーーり好き!ゾンビってやっぱりミステリに入れるには抵抗感それなりにあったんだなって改めて思ったのと、いらない部分が明らかに少なくなってたことが大きい。まあ言ってしまえば前作は明智がまずいらないと言えばいらなかったし…。

今回の予知能力はちょうどいい匙具合だったな。全部が全部理論で説明できるのももちろん良いんだけど個人的に少しのオカルト風味とか超自然的な要素を含むのは結構好き。『暗黒館の殺人』の不老不死要素とか、アナザーもそういう要素含むね(どちらも綾辻行人さん)。理論で解明していくミステリの中にそういうスパイスがあるとめちゃめちゃ楽しいし、なんだか人智の及ばぬものも否定はできないなって感じて奥行きのある作品になる気がする。あそこで起こったことは確かに人のやったことで、謎解いて犯人も暴いたけどそれとは別に解明できてないこともあって、あの能力は、あそこにいた人たちはなんだったんだろう…ってあとで幻を思い返すような。今となっては記憶しかその出来事が確かにあったと証明出来るものが無い…次同じ場所に行ってもそこには何も無くて…みたいな…夏休みに知り合いの別荘に行ってそこで出会った不思議な人…一夏の恋…または千と千尋の神隠しみたいな…アリエッティみたいな…(うろ覚え)  暗黒館読みてえ~~~!!!!!

「謎があります!推理します!解けました!」だけでもミステリってできるんだけどそこに物語があるのが一番求めているものだなあ。

というか王寺の女疑惑の話は伏線じゃなかったんかい・・・面白くするためのスパイスか…






インターステラー

めっっっちゃ良かった…

 

メモ:

高次元

相対性理論 重力が高いほど時間の経過が遅い?

「時間は相対的なもの 伸びたり知人ダリはするけど過去には絶対に戻れない」『彼ら』は五次元の存在 彼らにとっては時間も物理法則未来にも過去にも行ける 

 

プランAに必要な方程式は解明されていたがこれでは足りない(ブラックホールの中の特異点に行って確認しないと解けないがれは不可能)と分かり、プランAは無理と結論を出したが受精卵のために宇宙に行くやつはいない、と教授は読んで自分や家族も助かるプランAを掲げ続けたと。

「君が戻るまでに必ず解く」「一度は成功しないとな」とか教授、ずっと嘘をついててこの狸ジジイ、と思ったけど「人類を救う」ために自分を信じてくれる人全員娘まで騙し続けたのも物凄い覚悟だったのかもしれない。結局、計画が成功しなければ『悪人』、成功すれば『人類の救世主』になる。結果から未来の人が決めることが後の時代を生きていく人の全てになる。まあ確かに歴史上の偉人なんて多くは人殺しだし それでも1つの信念の元に自分が悪人とされてもいいという思いで成し遂げようとする人だったんだろうね。

 

マーフとの父娘愛めっちゃ泣ける どうして洋画だとすぐ感動するんだろう

あと機械たちがめっちゃ可愛くて優秀で好き

 

途中残り二つのどちらの星に行くかの議論がめっちゃ好き

「愛は人間が発明したものじゃない 観測可能な力よ 何か意味がある」「理解してないだけ」「高次元につながる何かが」 

このシーン、初め見たときはこの状況でおかしくなってんだなこの人と思ったけど見返したとき、凄く胸に響く…。結局最後、その惑星が事実”正解”だったわけで、それはたまたまだしもしマン博士と恋人だったら結果は変わらないし でもこのセリフはほんとに胸に響く

愛が人間の脳では抑えられない力、なのだとしたら自然現象や宇宙と同じ…

 

『彼ら』=自分含む四次元を超えた未来の人々は人類を救うため五次元世界の中に無数の時間のマーフの部屋(三次元)を作った そこから信号を送るために主人公をそこに送り込んだ

「愛だよ 愛 愛が観測可能なら数値化できるはずだ」モールス信号で送る

主人公がここまで頑張ってこれたのもマーフが幽霊は父親からのメッセージだと気づいたのも愛 SF、物理学の可能性を示した映画だけど根底はヒューマンドラマである…からこそ評価も高いんだと思う

地球に帰るとき、「ブラックホールの地平上を突っ切って特異点に行きそこから量子データを送信できたら?」って言ってたあの黒人の科学者こそ未来から来たのでは?ってほど凄いと思うが…実際そうしてプランAが実現したわけだし…

その方法で地球に戻ろうとしたらあの空間に行きついて(導かれて)そこでの役目を終えた後普通に地球に帰還した…?戻ったシーンが無いからよくわからない

アメリアは1人でどうやって別の惑星に行った?主人公は地球に戻った?戻らないまま打ち上げられたステーションで拾われた?

調べてもはっきりしてないらしい。想像に任せる…というスタンスなのかな

 

長い映画だけど無駄なシーンが無いところが好き すっごい派手なアクションも無く曲もずっと静かでドキドキはらはらというわけではない物悲しさが好き



穏やかな夜に身を任せてはいけない~

ディラン・トマスの詩らしい



死刑にいたる病

2022/6/4

思ったより面白かった。少しもやっとするのは真実が全て「口から語られているもの」であるからそれが本当なのかは立証できないというところ。まあそれはこの映画の雰囲気作りの1つで良い要素というか味?とするべきところなのかもしれないけどミステリ好きな自分にとってはちょっとだけひっかかった。あと主人公の家族はけっこう出てきたけど祖母?の死は事件とは関係なかったのか…てところ。主人公が死刑囚と会って変化するのはわりと自然で良かったのとそれを阿部サダヲが言ってくれてあーなるほどだからイキってたのね。特に最初の方はまっっったく感情移入できなかったけどだんだん阿部サダヲに毒されていくのは理解はできた。それほどまでにいい人感が出てる、

途中まで主人公が人を殺してタイトルの伏線回収~となるかなと思ってたけどそうならなかったのは良かった(人殺しを仕方の無い病、として描かれるのはたとえフィクションでも嫌なので)。主人公と死刑囚、金山、大学一緒の女が全員家族から愛情を向けられず「鬱屈として孤独、急に鬱憤を爆発させる可能性が高い」として重ねられており3人が阿部サダヲの手持ち駒として扱われていたのが最後にわかってそーゆーのすき。でも結局主人公の主観でしか語られてないから真実は分かんないんだけど主人公の推理が合ってるなら金山に罪悪感を植え付けるためだけに自分のルーチーンを破ってあの女を殺したってことだよね。うーーーん。

女女女~~~~!!💢テメーに関しては1ミリも理解できねーんだよ!!!!!💢💢だったけど最後のでまあ許した

沢山考えることがあってもう何回か見ればちゃんと自分の中で納得解釈出きるんだろうけどそんな何回もは見ないなって感じの映画だった。邦画をあんま見ないけどこういう鬱屈した終始静かなでも精神確実に削ってくるの、日本映画ならではだと思う。あと主人公の陰キャ感がリアルでいい。喋り方。

最初の拷問シーンで気持ち悪くなって吐きそうになった、食べた直後ってのもあるけどあーグロで気分悪くなるってこんなかんじなんだってわかって良かった。

 

よく考えたら死刑にいたる病、てそういう人がいてそれは他の人に伝染していく、ていう主旨なのではなく阿部サダヲ自身が母親に囚われていたのかなと思える脚本(最後の主人公から阿部サダヲへの「母親の爪は綺麗だったか」質問、爪に対する執着?)から虐待親が絶えない現状への警報が主旨なのではとも思える。親からの愛情なく育った者はどういう風にそだつか

 

ここで感想消えちゃった…

 

真夏の方程式

2023/8/24

 

悪循環する家族に巻き込まれたきょうへいくん、て感じ

ロケットで水中を見てるシーンがとても良かった。アンナチュラルでも思ったけど、そこにいないけどわかる、みたいな伝わる、みたいな別世界が繋がる、感じにとても惹かれる。

湯川が布被せるところめっちゃ良い。

話自体はまあ予想できる感じ。きょうへいくんがただ可哀想だなと思った。自分がなるみさんだったら人殺して逃げてその罪を人に被せておいてはりがうらの開発進める人たちにあんな態度取れるかな??と思った。守るためとはいえ。開発者たちに限らず一生誰も責められんと思うが。自分以上に罪犯してる人いないし。全てに謝りながら病みながら死にきれず生きてるなら分かるけど…。

真相を警察に伝えて過失致死、死体遺棄じゃなく殺人にしたところできょうへいくんが責任感じることになるだけだしあのままにしたのは湯川がきょうへいくんのこと心から思ってるんだなと分かって良かった。

「花火やっちゃいけなかったのかな」「君は色々なことを学んだ。問題には必ず答えがある。すぐに分かるとは限らない。そういうことにこれから沢山出会う。君が答えを見つけるまで僕も一緒に考える、悩み続ける。焦るな。君は1人じゃない

問題・回答に当てはめるところが湯川ぽくていい。

屍人荘の殺人

2023/9/15?

 

面白かった。寝る前布団でとか図書館に行ってとかけっこう意欲的に?読んでた、それくらい続きが気になった。

突拍子もない状況だけど推理はかなり本格的なミステリだった。

こういうのって出てくる情報全部が推理のための伏線になってることが多く、その点「えっこれ使わないんだ…」みたいなのもあった。管野が天涯孤独で最近妹を亡くした、とかもうそれで犯人コイツだな、ってなったんだけど全然違った。もしかしたらその自殺した子がそうなのかもしれないけど。名張の部屋の時計の電池が切れてたのとか(これは読みすぎかも)、あと名張が管野のこと好意的に思ってるとかは明らかにいらなくないか、、、共犯だと思ったわ。

なら静原にその死んだ近所のお姉さんのこと滞在中少しでも話してほしかったし(静原でなくても他の人から聞いた話、とか)謎解きが凝っているだけに動機だけがあまりにも後付けのような感じ。ならもっとお姉さんを自殺に追い込んだ立浪や他のOB2人をクズに描くとか(実は皆が知らない、自殺に追い込んだもっと酷いエピソードを静原だけが知っていたとか…強姦して孕ませて捨てた、とか…)したらそんな惨い殺し方を静原がするのにも納得する。

あと何よりも、ゾンビ生み出した奴ら関係無いの!!!!????????????

ねえ、絶対その班目機関とか准教授とか関係してると思ったよ!名前まで出しておいて??剣崎にあてた手紙で一番最初に出しておいて??最後欠片も出てこない??そんなことある??プロローグにあるものって絶対最後に真相わかってそういうことかってなるとかじゃない??最後、犯人とか殺されたOBとか管野の家族とかその機関とかゾンビが実は関係してて今の状況を作り出してて主人公たちが立てこもってる裏で明智がゾンビの正体や対策などの真相を掴んでいて最後に颯爽と現れ謎解きするのかと思ってたよ!!!どんでん返しの真相があると思ってたよ!!!多分、ミステリの中にゾンビを加えて面白いネタを先に思いついたのかもしれない。静原の動機に関してもそうだけど謎以外がなんか雑すぎん…?読み終わって「えっ?」てなった。明智さん死んだのも、いる…?

 ※この後シリーズものだと知って斑目機関については今後追っていくんだと知ったけどそれなら「続くよ!」って分かるような終わりが良かったかなあ…

あとちょっと思ったのが、硝子の塔の殺人に似てるなって。多分最近の若者に好かれそうな文体と、美少女、美女が名探偵役、そして主人公がその助手な構図、主人公に秘密がありそれがどんでん返しになる、名探偵役の美(少)女に特別視される主人公…みたいな、作者の夢が詰まっている感じがけっこう分かる。まあ夢だよね、わかる。でも最後ワトソンにはなれない、そっか、みたいになったあと一緒に捜査してる感じの終わり方で「…?」になった。助手やってんじゃん

あと、謎解きが一通り終わった後の主人公の静原に対する思い。憎いのは分かるけど良いところも見ただろう、悪いところだけ見て憎んでたんじゃないのか、ならこんなことをした俺たちはどうなる、殺された者たちのことを知りたくない、何を憎めばいいのかわからなくなるから。っていうのは、、なんだろう、ここだけ浮いてるというか。こんなにここだけ急に感情を細かく、多く描写してあって、この感情があって俺はこの後こうした、みたいなのがあったら分かるんだけどそういうわけでもない…ならいる?最後の「俺の償いは、ここから」に繋がるの?その言葉もよくわかってない。剣崎と調査していくことが償いになる?何の?出目のカバン漁ったこと?犯行に協力したこと?剣崎への嘘?なら何で助手断った?いややってるけど。わからん

明智を助けられなかったことかもなと次作を少し読んで思い直した。サークルを二人で続けていくことが。同時にこれはまあ読者の受け取り方次第で正解は無いのかもとも思う。

 

登場人物多いので困ったけど覚えやすくしてくれたの、大変に大変にありがたい。それで思ったんだけど、今まで読んできたクローズドサークルって色んな年代、職種、性別の人たちが集まってたからまだ覚えやすかったんだなって。これは同じ年代の大学生ってだけでこんなに登場人物を覚えづらくなるもんなのかと思った。



総評:めっちゃ面白かったので雑さが残念なのと思ってた終わりと違った…

読んでて、ミステリなのにゾンビという非現実的な存在が出てくるのに抵抗があるのは否めない。でもゾンビなんだから何でもあり!になってるんじゃなくて逆にゾンビまたは人間どっちかの犯行ならすんなり進むところを両方介入しないと出来ない殺害にして謎が増えてるのがとても良かった。何より推理が本格的で満足。なだけに他が雑なのがあーーー!!!機関の目的、登場人物との関わりなど繋がってくれたら多分「ゾンビ」というありえない存在も最後には受け入れられると思う。逆に言えばどれだけウイルスとか細胞単位で~とか現実に矛盾しないように説明されてもあんなに最後あっさり無かったかのように扱われたら「本当にただゾンビ出したかっただけなんだな…」で終わってしまう。ロックフェスに参加した人大半普通に生き残ってるんだとしたら1ヵ月くらいで「ゾンビ?そんなこともあったね」で終わらんだろ…今の時代絶対ネットとかSNSで映像拡散されてるし…もっと世界的な事件になってるだろ…。